はい積の質は測定結果に影響します。エラーを避けるためにも、少し離れた位置から画像を撮りましょう。では、なぜそうする必要があるのでしょうか?
木材一つひとつの直径
当然の話ですが、対象がカメラに近いと、撮ったあとの画像内に大きく写ります。これは、はい積から飛び出している木材の直径は大きく測定され、中に入り込んでしまっている木材は小さく測定されてしまうということです。では、一体どれほど違ってくるのでしょうか?
1枚の画像の中の一範囲にある物体の大きさは以下の数式によって決められます。
sizeonScreen(画面上の大きさ)・・・ピクセル表示での画像内の物体の大きさ
sizereal(実際の大きさ)・・・物体の実際の大きさ
sizescreen(画面サイズ)・・・ピクセル表示での画像の大きさ
distance(距離)・・・カメラからの物体の距離
fov(視野)・・・カメラの視野
はい積に近づいたり遠のいたりしても、デバイスの画面サイズ、カメラの視野、そして実際の木材の大きさは不変なため、上記の数式1は、はい積から飛び出した木材がどれほど測定に影響するのかを検証するのに簡素化できます。
coeferror(エラー係数)・・・結果がどれほど実際よりも大きく測定されているのかを表す数字
sizeprotruding(飛び出したサイズ)・・・木材がはい積から飛び出してしまっている場合の画像における木材の直径
sizelevel(サイズ水準)・・・はい積の水準となっている場合の画像の中の木材の直径
sizereal(実際の大きさ)・・・実際の木材の直径
distancepile(はい積距離)・・・カメラからはい積までの距離
distancelog(木材距離)・・・カメラから木材までの距離
offsetlog(ずれた木材)・・・どれだけ木材がはい積から飛び出しているか
coefoffset(ずれ率)・・・はい積の距離に比べてどれだけ木材が飛び出しているかを示す数値
上記の数式から、画像の直径サイズはカメラからの距離に対して反比例していることがわかります。そのため、もし木材が2倍測定者に対して近くなっていたら、2倍大きく見てしまうのです。例えば、もし2mの距離から画像を撮り、はい積から20mほど出ている木材があれば、その直径は11.1%も大きく見積もられてしまいます。
この数式から次のようなことが役立つといえます。もし木材一つひとつの直径のエラーを減らしたい場合は、はい積から遠めに下がればいいのです。そのため、もし木材が20cm飛び出していて、4m離れたところから画像を撮ると、過大見積もりは5.3%に留まります。
平均直径
検知の質が変わらない場合、はい積の質が平均直径の測定結果に影響することはほとんどありません。
30cmの2本の木材の平均直径を計算してみましょう。はい積は2m先にあり、木材の2本のうち1つが20cm飛び出し、もう1つが20cm深まったところにあるとします。
average(平均)・・・画像における平均直径
diameter1(直径1)・・・画像上の1つ目の木材の直径
diameter2(直径2)・・・画像上の2つ目の木材の直径
上記からわかるように、2本の木材の平均は1%多く見積もられます。しかし、一番外側の木材の場合のみです。大抵、はい積の木材は、はい積の平均に非常に近くなります。きれいにそろった木材の位置を想定すると、次の数式を使って実際のはい積に起きる、平均直径のエラーを計算できます。
average(平均)・・・画像上での平均直径
coef(係数)・・・一番外側の木材がカメラの距離に対してはい積の平均からどれだけずれているかを示す数値
2m離れたところで測定された、はい積の平均から木材が最大20cm(つまりずれ率が0.1)ずれているはい積では、たったの0.34%しか大きく見積もられていないことがわかります。さらに、もし画像が2倍遠いところから撮られた場合、エラーは4倍小さくなります。この場合、4m離れた位置から画像が撮られると、平均直径は0.083%大きく見積もられることになります。
はい積の材積
歪んだはい積は平均直径よりも測定した材積に影響しますが、それでも限られています。木材の表面積と材積を計算するのに直径を正方形にする必要があるので、これらは違うものになります。そしてこれは2つ値の間の数値を変化させます。
歪んだはい積の材積の測定におけるエラーを計算するのには以下の数式を使用します。
coeferror(係数エラー)・・・どれだけ材積が大きく見積もられているかを示す数値
coefoffset(係数のずれ)・・・カメラからの距離に比べてどれだけ一番外側の木材がはい積の平均からずれているかを示す数値
また、もし2m離れていて、最大20cm木材が飛び出している、もしくは深く入り込んでしまっている場合、材積は平均的に1.0%大きく見積もられることがわかりました。
再度いいますが、画像を撮るのに2倍遠くに移動すると、はい積の歪みが半分になることに値します。これはエラーを4倍減らします。もしこのはい積が4m離れたところから撮影されれば、材積は0.25%大きく見積もられることになります。
結論
はい積の質がどれほど影響してくるかは何を測定しているかによって変わります。それぞれの直径は、はい積の質に非常に影響する一方で、もし直径の平均を測定している場合はこういった影響は大抵放っておいても問題ありません。材積測定に関しては、ほとんどの場合ユーザーは測定が既にかなり正確であることがわかります。しかし、もしはい積が歪んでいたり、はい積に非常に近づいて画像を測定したりといった場合、それが測定結果にどれほど影響してくるかを考慮すべきです。覚えておくべきことは、もし歪んだはい積によるエラーを減らす必要があるのなら、遠めのところから画像を撮影するといいということです。